狂った朝日 と 汚れた血/映画部

映画や海外ドラマに関するレビュー及び思い入れのある作品について語ったり、それに付随した思い出・ライフスタイル情報を提供いたします。

マンダロリアン・シーズン1を振り返る!

10月30日よりディズニー+で配信開始となるスターウォーズのスピンオフ作品「マンダロリアン」シーズン2

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大作系の映画が全部延期になっている現状、ドラマやネットフリックス作品に期待する日々がつづきそうですが、そんな空虚な映画ファン、そしてスターウォーズファンが待ちに待った作品である「マンダロリアン」のシーズン2。

今回は、昨年末に公開された「スカイウォーカーの夜明け」のモヤモヤを吹き飛ばしてくれた「マンダロリアン」のシーズン1を振り返ってみたいと思います。

まず、私が感じたマンダロリアンの魅力を4つあげてみたいと思います。

 

 「マンダロリアン 」の魅力

1.大人仕様の世界観

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私にとってのマンダロリアンの最大の魅力は、世界観が大人仕様になってる点です。

スターウォーズ新三部作は、オリジナル三部作の世界観の延長をベースにしていて、あくまで「スターウォーズの世界観の中」で繰り広げられていたことで、その縛りによって作品全体がある程度予測がつくような、こじんまりした感じが否めませんでした。

賛否両論だった「最後のジェダイで殻をやぶろうとしたのに、全世界のスターウォーズファンに忖度しなければいけないという理由で、監督にJJを再度起用し丸くおさめなければいけなかったということもあり、色々苦労したシリーズでした。

しかしこの「マンダロリアン」はスピンオフで、しかも配信用のドラマということもあって、のっけから自由度があったことが功を奏して、明らかに今時のアメリカのドラマの世界観の方に寄せている気がします。

今のアメリカのドラマは、社会性をうまくフィクションにとりこんでいながら、アメリカ人以外にも共感できるテーマを内包していてどれも面白いですよね。

以前ここでもウォッチメンの記事をあげたことがありますが、あれもヒーローものなのに現在のアメリカ社会を反映した、ノワールまるだしのカッコいい世界観でしたが、この「マンダロリアン」もまさかスターウォーズシリーズでノワールな映像を楽しめるとは想像していませんでした。

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ユーモアもシュールな大人な感じで挿入されてますしね。

ある意味、ベイビーヨーダのかわいさも大人目線の象徴といっても良いのではないでしょうか。

これを見てスターウォーズ世界に入ろうとする子供はほとんどいないでしょうし、完全に大人でないと楽しめないような作風で、これから作られる新たなスターウォーズ映画も、本流はともかく、スピンオフはこんな作風で作ってくれるとうれしいですね。

逆にスターウォーズはちょっと.....と思っている、今時のアメリカのドラマが好きな方に全力でおすすめしたいシリーズでもありますね。

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2.魅力的な主人公二人

スターウォーズといえばキャラクターの魅力も重要な要素ですが「マンダロリアン」もご多分にもれずキャラクターがいいですね。

なんと言っても主人公のマンドーの魅力につきます!

久しぶりに大人もハマれるカッコいいキャラクターという感じで、クールに仕事をこなし、見た目も単純にカッコいいですね。

ボバ・フェット自体「帝国の逆襲」で登場した当初から人気がありましたが、シルバーにするとこんなにカッコ良くなるなんてルーカスも驚いたんじゃないでしょうか。

シルバーといってもキャプテン・ファズマのようななピカピカな感じではなく、ちょっと暗めのブラックシルバーという感じの色味が渋いですよね。

戦闘能力も抜群で、結構な衝撃に耐えられるアーマーを着ているおかげでほぼ不死身ですし、どんな状況になってもアーマーに装備された武器でやっつけられるくらいの圧倒的な強さがあり、戦闘における頭のキレも抜群。

しかし、「ローグワン」ドニー・イェンが演じたチアルート・イムウェのようなジェダイより強く見える!というほどのレベルでなく、ほどよい強さ加減がいいですね。

一話に一回は必ずピンチになるくらいのレベルですから。。

マンドーを演じるペドロ・パスカルゲーム・オブ・スローンズ「ナルコス」などアメリカのドラマではおなじみの人ですが、 最終話でサービスショットっぽくチラっと顔見せしただけでもったいない気もしましたが、悪役イメージが強い俳優ですので敢えてそれくらいの顔見せにしたのでしょうか。。

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そしてシリーズの最大の話題であり目玉扱いなのが、ベイビーヨーダザ・チャイルドです。 この赤ちゃん好きにもペット好きにも響く愛くるしい反則キャラクター.....さすがディズニー、、といったところでしょうか。。

しかし、そんなあざとさが気にならないほど可愛いキャラクターで、歩いているときも、丸く浮かんだベビーベッドに入ってる姿も超かわいいですね!

目を放すと大変、、という子供あるあるもでてきますし、宇宙船、大変なことになりますからね。。

この50歳の赤ちゃんヨーダくんがシーズン1で数回見せたフォースはまだ序の口という感じでしょうから、これからシーズンを重ねるごとにどんどん凄くなっていくと思うと.....ますます楽しみですね。

3.音楽

そして音楽もカッコいいですね!

スターウォーズの音楽といえばジョン・ウィリアムス大先生ですから、彼がやっていないというだけで新鮮ですが、音楽まで今時のアメリカのドラマみたいな音が鳴っているところがすごい新鮮です。

スターウォーズの世界観でこの音楽ってなかなかないですからね。

特にサスペンスタッチなシーンは、エレクトロな感じでカッコいいです。

映画ではなくドラマだということが大きのかもしれませんが、SF大作やヒーローもので、なかなかこういう音楽は使われていないですからね。

しかし、そう思っていると、エンディングや派手なシーンになると今度はロッキーのような音楽が流れてくるんですよね。

最初「え?」って思いましたが、ハマるとすごいワクワク感を感じられて印象深いです。

音楽を担当したルドウィグ・ゴランソン「テネット」で超かっこいいエレクトロを流していたりブラックパンサーでも音楽を手がけていますが、なんといってもあのクリードの音楽もやってるってことで、ロッキーっぽくなっているのもご愛嬌ってとこなのでしょうか。

アポロ出てますしね。

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いずれにしても、ルドウィグ・ゴランソンがいま映画やドラマの音楽の世界で最重要人物のひとりであることに間違いはないでしょう。

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4.デザイン

最後にデザイン的なものでアガるものがいっぱいありますね。

まずオープニングが超カッコいいですよね。
暗がりに歴代のスターウォーズキャラのマスクが輝きながらリレー方式でうっすら登場してくるオープニング。

このオープニング部分を見ただけで超興奮しました!

またエンドクレジット時に出てくる、そのチャプターのイラストがマニア心をくすぐりますね。 このイラストの画集が発売されたら、即買いしそうです。。

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シーズン1・キャラクターTOP3

では次に、シーズン1で登場したキャラクターで、主役二人以外に好きなキャラクタートップ3を勝手にランキングしてみます。

3位/グリーフ・カルガ

第3位は、カール・ウェザース演じるギルドのリーダー、グリーフです。

私のようなアラフィフ世代にはアポロが出てる!っていうだけでうれしいんですよね。

カール・ウェザースは70歳を過ぎてますが、、ちょっとおなか出てますが、、カッコよかったですね!
途中で完全にマンドーの味方になる展開も、これまたアポロっぽいですし、カール・ウェザースって「プレデター」でもそうでしたが、ナンバー2的ポジションが似合いますよね。

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2位/IG-11

第2位はIG-11です。

スターウォーズといえばドロイドというイメージですが「マンダロリアン」は全話に登場するドロイドがいなくて、その中で唯一キャラ立ちしたドロイドといってもいい存在がこのIG-11ですね。

最初は賞金稼ぎの殺人ドロイドだったのに、クイールに改良されてから真逆のナースドロイドになるというドロイドならではの展開がいいですね!

しかも孤軍奮闘の大活躍でマンドーたちのピンチを何度も救うし、次も出てきてほしいのですが.....違うキャラになっちゃうのでダメでしょうね。。

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1位/クイール

そして1位は、名優ニック・ノルティが声を担当したクイールです。

「有無は言わせん」が口ぐせの銀河帝国の元奴隷だったアグノートのおじさんです。

マンドーとジャワのいざこざを仲介したり、マンドーにブラーグの乗り方を教えたりと面倒見がよく、マンドーも頼りにする知恵袋的おじさんで頼もしい限りです。

しかもほぼ絶命状態のIG-11を修理する技術的な腕をもち、ナースドロイドとして一から教育するという辛抱強さももちあわせていて、こんなに頼りになるオッサンいないだろう!っていうキャラで、いい味出してたんですけどね。。

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他の登場人物たちも充実してて、元反乱軍の戦士役のジーナ・カラーノは女優さんにしては体型ががっしりしてるなぁ....って思ってたら、元総合格闘家なんですね。

最後の7・8話に出てきた悪役のモフは大ヒットドラマのブレイキング・バッドに出てくるガス役のジャンカルロ・エスポジートが演じていて「ブレイキング・バッド」同様、冷徹な感じのキャラクターでこれはなかなかナイスなキャスティングですね。

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シーズン1・チャプターTOP3

では次に個人的に好きだったチャプターのベスト3をランキングしてみます。

3位/第3話「罪」

マンドーが手渡してしまったザ・チャイルドを奪い返しにいくチャプターです。

これはもうレオンなどのクライムサスペンスの世界ですね。

ノワールな世界観にストームトルーパーが出てくるって時点で、それだけで興奮します!音楽もかっこいいですね。

大勢のバウンティハンターに囲まれ、絶体絶命の場面からの...あの展開はちょっと胸アツでした。

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2位/第6話「囚人」

マンドーが以前の仕事仲間と救出作戦に出るチャプターです。

マンドーが仲間に裏切られてから、ちょっとした復讐劇っぽくなるところが、ランボーのようでミッションをこなす暗殺者っぽくっていいんですよね、、全然スターウォーズの世界じゃないんところが。

なのに最後、Xウィングが登場して急にスターウォーズっぽくなるところがまたおもしろいです。

第4話「楽園」も七人の侍オマージュのようなな話ですが、そういった違う映画の要素を盛り込むところは、もともとスターウォーズがもっていた部分ですし、あらためてそこに着手して世界観を広げているところが「マンダロリアン」が支持されている理由のひとつだと思います。

仲間同士があまり仲良くないところなどエイリアン2みたいですし、最後の痛快な展開も見事で、ドラマの一話分として見ても優れたチャプターですね。

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1位/最終話「贖罪」

次期スターウォーズの監督も噂されるタイカ・ワイティティが監督したチャプターです。

ストーリーはもちろんですが、冒頭のスカウトトルーパー二人の無駄に長いやりとりのちょっとシュールなコント風な会話劇のところが最高ですね。

最終話ということもあるのでしょうが、はじめてドロイド2体が同時に登場したり、総合的に最もスターウォーズ的な感じがするチャプターです。

タイファイターの恐ろしさも出ていて、マンドーがはじめて空を飛んだりしますし、スターウォーズアクションが満載です。

シーズン2への布石もちゃんと残していて、とても優秀な最終話だけに、やっぱり一話から見なおしたくなりますよね!

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シーズン2がはじまる前に、もう一度シーズン1を見直して「マンダロリアン」の世界を楽しみましょう!

 

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