狂った朝日 と 汚れた血/映画部

映画や海外ドラマに関するレビュー及び思い入れのある作品について語ったり、それに付随した思い出・ライフスタイル情報を提供いたします。

ワンダーウーマン1984/DC映画の新たな方向性を示した作品

2017年の「ワンダーウーマン」の続編、「ワンダーウーマン1984」。

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1984年、最愛のスティーブと死別し孤独に向き合いながら生きるワンダーウーマンこと、ダイアナ。

ある日、そんな彼女の前に、死んだはずのスティーブが現われる。

理由もわからぬまま再開を喜ぶ二人であったが、同じ頃、禁断の力を手にした謎の実業家マックスは、己の欲望を実現すべく、どんどん闇の中に堕ちていくのであった。。という展開です。

今回のワンダーウーマンの一番いいところは、ザックスナイダー臭、、というかクリストファーノーラン臭を全く感じさせなかったところですね。

昨年の「アクアマン」と「シャザム」は、コメディよりの作風ということもあって、少し前までのDC映画に重くのしかかっていたダークナイトの呪いは微塵も感じられなかったのですが、その前に撮られたワンダーウーマンの第1作目は、映画全体に感じるトーンは暗い雰囲気が払拭されてたとはいえなかったと思います。

でも今回の「ワンダーウーマン1984」は、時代設定が80年代という軽い時代だったということも相まって、特に中盤はライトな雰囲気で作品を見せていましたね。

最初と後半がヒーロー映画っぽい展開だっただけに、このライトな中盤のところがすごく効果があって、映画として見やすいリズムを作り、話が展開していく後半にも良い流れを生んで、2時間半という長さを感じさせない原因になった気がします。

前作も結構な長尺だったこともあり、ダレる箇所が所々ありましたが、今回は全くそういう所がなかったです。

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またアクションシーンが少ないわけではないのですが、戦闘シーンが少なかったこともあり、ヒーロー映画独特のマッチョさが薄れていて、よりドラマを重視した作りになっているところが、ヒーロー映画を見慣れない人にも受け入れられる要素だったのではないでしょうか。

もちろん、女性であるパティ・ジェンキンスが監督しているわけですから、自然と女性の視点になっているのは当然なのですが、より意識的に女性の観点で見た世界観となっていた気がします。

コミックの映画なので、もちろん現実離れしてたり、辻褄があわないところはいっぱいあるのですが、冒頭の少女時代も含めて「ずるをしてはいけない」というテーマが作品全体に流れていました。

レイティングがかかってないので、子供と一緒に見に行ける作品ですが、子供たちが楽をして得た力は無意味だということを潜在意識にうえつけてほしいものです。

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また、タイトルからイメージして、80年代っぽさをガンガン打ち出している作品なのかなぁと思ってましたが、当時の米ソ冷戦構造という状況を利用しただけで、それほどポップに80年代を表現してはいませんでした。

確かに、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドの音楽に、ハイレグレオタードに大きめのメガネなどのあの頃の懐かしくちょっとイタい感じの80年代ファッションがエッセンス的には出てきます。

でも見た目の80年代感というより、この作品の話の展開も含めた圧倒的なエンターテイメント性、ファミリームービー感という部分が、一番80年代を感じさせてくれました。

そこにヴィラン側の背景をじっくり描くという近年のヒーロー映画のテイストも加わり、スマートすぎるくらい完璧なヒーロー映画を誕生させた感があります。

ただその部分で、大人サイドから見るとあとが残らない分、記憶に薄い作品にもなりそうですが。。

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キャスト的にはクリス・パインは役柄的に今回はちょっとさえない感じでしたね。。

ガル・ガドット演じるワンダーウーマンがひとまわり魅力的なキャラクターになっていますが、彼女そのもの演者としての成長、そして大人の女性としての成長がワンダーウーマンのキャラクターにもそのまま反映されていたような気がします。

私は彼女の出演作はワイルドスピードシリーズとワンダーウーマンまわりしか見ていないので、彼女の印象はアクションよりのイメージしかなく、美人だからということもあるのですが、あまり彼女の演じるキャラクターの内面が見えてこなかったんですね。

見た目は抜群にカッコいいんだけど、そこまで感情移入できるキャラクターには感じませんでした。

この点は、アベンジャーズシリーズでのブラックウィドウにも同じような感じを抱いていましたが、エンドゲームでのアフターサノスの世界での奮闘を経て、ブラックウィドウの印象がガラッと変わりました。

今回のワンダーウーマンも後半の力を失っていくところなど、随所で弱さがでてくる場面がありますし、前作と違い成熟した大人の女性として描かれているところに、より魅力を感じました。

以前はワンダーウーマンのコスチュームをしていないガル・ガドットにはあまり魅力を感じてませんでしたが、この作品ですっかり、彼女のファンになってしまいました。。

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そして私的に今作最大の見所は、ペドロ・パスカル演じるマックスでした。

ペドロ・パスカルは現在、ディズニープラスで配信中の「マンダロリアン」で主役のマンドーを演じていますが、彼の演技によって今回のヴィランであるマックスはすごく共感できるキャラクターだったと思います。

不遇な少年時代を経て、一攫千金を夢見て石油会社をたちあげ、CMで有名人になるものの経営は破綻していて、まさに崖っぷちのところであの石に出会うのですが、全てを手に入れながらも人間的に落ちるところまで落ちてしまってからの....ラストの展開はやられました。

半分、子役のおかげでもあるのですが。。

もともと「ゲーム・オブ・スローンズ」などで悪役っぽいイメージがついてる俳優ですが、「マンダロリアン」でも仮面をつけているにもかかわらず感情が見えるくらいの演技ができる人ですし、今回のヴィランのキャラクターはペドロ・パスカルにはうってつけでしたし、彼が演じたことで、よりこのヴィランに深みが出て、作品自体を魅力的にした要因のひとつになっていました。

いろんな映画での可能性を秘めた俳優ですし、今後の活躍が楽しみですね。

個人的にはマフィア系の映画にどんどん出てほしいですし、ルカ・グァダニーノが監督することでおちついた「スカーフェイス」のリメイク版に、トニーモンタナ...は無理でも何かの役で出てほしいですね。

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2020年のDC作品はコロナの影響もあり「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒」と「ワンダーウーマン1984」の2作のみでしたが、どちらも女性を主人公にした映画で監督も女性ということで、DC映画にとってはかなりレアな年になりましたが、これを機にDCがマーベルを気にせずに、DCはDC独自の路線を突っ走ってもらいたいです。

2年続けて良い感触の作品が続いたので、次に予定されているリブート版のスーサイドスクワッドが勝負になるでしょうね。

ジェームズ・ガンが一時的にマーベルを解雇されたおかげで監督をつとめることになった「ザ・スーサイド・スクワッド」ですが「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のような路線になるのか?はたまた別の感じになるのか?今から楽しみでなりません。。

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朝が来る/ただのお涙頂戴ものでない養子の問題を映画的技法で魅せた大傑作

現在の日本を代表する河瀨直美監督の「朝が来る」。

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子供に恵まれなかった清和と佐都子の夫婦は「特別養子縁組」というシステムを知り、そこで生まれたばかりの男の子を養子にする。

6年後、夫婦は朝斗と名付けた息子の成長を見守りながら、幸せな日々を送っていたが、突然、朝斗の産みの親を名乗る女性から、子どもを返してほしいという電話がかかってくる。

恐る恐る夫婦は電話の主を家に招き入れると、子供をあずかった時に見た少女とは全く別人のような風貌の女性であった。。という展開です。

正直、この作品は私の親目線という観点も入ってくるので、他の作品と同列に評価するのがムズカしいですが、ストーリー、演技、撮影、映画的技法、すべての面で高い水準の映画でした。

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とにかく見せ方がうまい!

最初に子供が幼稚園で起こった事件をもとに、子供に対する母親の心中を見せたあとに、子供をあずかる前の夫婦の苦悩を見せ、そして特別養子縁組という世界を紹介し、観衆を映画の前半でもう号泣させてしまうという荒技。

前半を見てる最中に、このあとどういう展開にもっていくのだろうと、泣きながら考えていましたが、むしろこの作品のキモはその後半にあります。

そして、その後半部分の主役である、中学生で子供を産む少女・ひかりを演じた蒔田彩珠さんが素晴らしかったですね。

出てきた時はすごく幼いのに、彼氏君とのラブシーンの「オンナ」の表情や、そのあとの荒んでいく様での顔つき、その荒んだ中にも垣間見える優しさなど、複雑な少女の役を見事に演じきっています。

撮影期間は2ヶ月で、前段階いれても半年しかないのに、この変わりよう。

年齢的に色々なことをすぐ吸収できる期間ということもあるのでしょうが、これからが本当に期待できる女優さんです。

ルックスもちょっと似てますが、橋本愛さんなんかに共通する感じ、しますね。

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夫婦役で出演した永作さんと井浦新さんも、いつも通りの安定感で、河瀬監督の映画だから役になりきるというより、役そのものになるってことによって、いろいろ大変だったようですね。

あと養子縁組機関の主催者である浅見さんを演じた浅田美代子さんもに自然な感じでなじんでいて良かったですね。

浅田さんも年齢を重ねるごとに円熟味が増してきていて、樹木希林さんが演じそうなポジションの役とかもキャスティングされそうですね。

描き方がどちらかに偏ってるわけでもなく、両者のバックグラウンドを描いていて、このへんのストーリーの見せ方が良かったですし、特に海のイメージなんかを使って、ラストに照らし合わせてるところなど、映画でしかできない見せ方で、文句のつけよう全くなしの傑作です。

反面教師的な親が結構出て来るので、子を持つ親としても勉強させてもらいました。。

まだわかりませんが、洋画混ぜても今年ナンバーワン級の作品でした。

キメツが面白いのわかりますが、大人はちゃんとこういう映画も見ておきましょう。。

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ばるぼら/手塚治虫のもうひとつの顔を堪能でき、二階堂ふみの魅力にあふれた作品

手塚治虫原作の漫画を息子の手塚眞監督が手がけた作品「ばるぼら」。今回はネタバレでのご紹介です。

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異常性欲に悩まされる人気小説家の美倉洋介は、都会の片隅でホームレスのような少女ばるぼらに出会い、家に連れて帰る。それ以来、白昼夢のような奇妙な幻想を見たり、彼のまわりの人間が次々と不幸にあう。うすうすばるぼらの仕業ではないかと感じていた洋介だったが、彼女の不思議な魅力の虜となり、やがて破滅へと向かっていくのであった。。という展開です。

手塚治虫の原作は見る前に鑑賞したのですが、予告編のあやしさと、何より「クリストファー・ドイル撮影」というのがこの作品を見る決め手となりました。映画好きには今だに神通力のある名前ですから、すごい映像を見れるかもと思い期待して見に行きました。

で.....率直にこの映画、すべてが「70点」という感じで、全部が惜しいんですよね。良い線いっているのに、突き抜けきれていない感じがして、モヤモヤしながら見ていました。

先にざっと気になったところをあげていきましょう。

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全編にジャジーな音楽が流れていたり、ところどころに挿入されるイメージシーンの映像など、手塚監督らしらが出ていましたが、想像より幻想さやあやしさがもうひとつって感じで、このへんは予算の問題が大きい気がしました。美術がイマイチ世界観を出しきれてなく、あとからCGで足すのも、他の日本映画などを見ると、現状の日本のCG技術ではチープになりそうですから。。

難しい問題ですが、たとえばあやしさを増すために色味にもっと赤を足したり、シーンによって青みを強くしたり、もっと極端な色使いにしても良かった気がしました。「トラフィック」という作品がありますが、あれくらい場面ごとに色味をバキバキ変えて、コントラストをつけるというのもありだったんじゃないでしょうか。せっかくクリストファー・ドイルを撮影監督にしているので、彼の代表作の「恋する惑星」や「ブエノスアイレス」のようにもっとバリッと世界観をだしてほしかったです。...と、ポスター見てるとそういうの期待しますよね。

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また現代っぽさを排除して、もっと寓話的で無国籍感を出しても良かった気がします。スマホなんてこの作品にあわないと思うし、洋介が逮捕されて新聞の一面になるシーンも、今どきのスポーツ紙の感じでゲンナリしました。原作にも出てきますが、映像化するにあたり、ここは他の手法で対処してほしかったですね。

期待していた部分のあやしさも、ちょっとうすく感じました。

たとえば、洋介が女性だと思って性行しはじめると、人形だったり、犬だったりするシーンがありますが、カメラをひいて、からだ全体が映るようにしてましたが、顔や体を全部アップにとるくらいに幻想的な構図にして、妖艶さが感じられるようなにした方が良かったですね。

女優さんは二人とも色っぽくて良かったですから。。

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ただ後半の洋介とばるぼらが交わるシーンは幻想的で、漫画に出てくる絵をうまく映像に再現していて素晴らしかったです。

監督はこの主人公たちが交わるシーンを一番撮りたかったらしく、気合いが入っていたからかもしれませんが、この部分は作品の中でも突出してる感がありました。

この作品で転機になる場面ですし、ここから展開がスパークしてくので、このシーンに集中したのはわかりましたね。

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洋介とばるぼらの結婚式のシーンは、キューブリック監督の「アイズ・ワイド・シャット」のように、もう少しエロ恐ろしい雰囲気でトリッピーに撮ってほしかったです。

ギャスパー・ノエ作品のようにグルグルにまわったカメラワークにするなど幻想的に仕上げたら、いきなり警察が入ってくる展開でブツっとリアルに戻して、コントラストがとれて面白いシーンになったと思うんですよね。

ラストの山小屋のシーンも、稲垣さんの演技は良かったのですが、ばるぼらが死んでからは、もうちょっと幻想的な見せ方にしても良かったと思いました。 稲垣さんの迫真の演技と対比して、ばるぼらがダッチワイフ状態で、とてもシュールな絵に見えました。 原作どおりなんですが、ここももっと脚色して良かったと思います。

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どうでもいい事かもしれませんが、洋介がかけてるサングラスの形が妙にダサいというか記号化されたものであったのが、凄くノイズを感じました。
売れっ子の作家なので、もっと高級感あるセンスのいいメガネしていそうなのに、何故あんなとってつけたようなサングラスだったのか理解できませんでした。

ストリートのステッカーの貼り方や、洋介のランニングシャツなんかもそうなのですが、ディテールのところがちょっと大雑把な感じがしました。もう少し細部をつめるか、もしくは寓話的世界に振り切ってた方が良かったですね。

リアルとフィクションの中途半端加減がこの作品を象徴している感じがしました。 ハリウッド作品では絶対ありえないですからね。

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自分が好きな世界観の映画だけに惜しく感じて、さんざんディスってしまいましたが、映画自体は面白かったです!特に主演の二人が良かったです。

二階堂ふみさんは、本当にいい女優ですね。 園子温監督の「ヒミズ」が好きなので、主演の二人の作品は極力チェックしているのですが、二階堂さんは「私の男」が好きですね。あのエロい感じが良かったです。キテレツ系の役より色っぽい役の二階堂さんの方が好きですが、両方できる女優ですし、その二つがあわさったようなばるぼらというキャラクターは、まさにハマり役って感じで良かったですね。

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そして稲垣吾郎さん。

稲垣さんといえば三池崇史監督の「十三人の刺客」のとんでもない暴君の役が最高でしたね。

もともと風貌が作家っぽいだけに、作家役ということで当たり役ですし、堕ちてからの後半の彼の演技は良かったです。運命に翻弄されながらも、身を任せている感じが出ていました。

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また脚本も素晴らしかったです。映画を見終わった後に原作を読んだのですが、映画としてのまとめ方が秀逸でした。原作のいいところを抽出し、なおかつ映画的に仕上げた脚本に感じました。手塚治虫さんの原作は当然ですがもっと漫画っぽく、ばるぼらもじゃじゃ馬キャラという感じですが、あやしい女性、魔女っぽさを強調したキャラクターに仕上げたのが良かったですね。

手塚眞監督が満を持して撮った作品で、本当はもう少し予算がでて凝った美術にできたら良かったのでしょうが、現状日本で撮れる作品ではすばらしい部類に入る作品ですし、なにより、二階堂さんが演じたばるぼらのキャラが、良かったですからね。
是非見て欲しい作品です。

 

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罪の声/グリコ森永事件を発展させた王道日本映画の犯罪サスペンス

このブログでとりあげるには珍しい題材ですが、現在大ヒット公開中の作品「罪の声」。

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京都でテーラーを営む曽根俊也は、ある日偶然、父の遺品のカセットテープと手帳を見つける。

カセットテープをきいてみると、何かを指図している自分の声が入っていた。

気になっていろいろ調べてみると、それはすでに時効となっている、30年前の大手製菓メーカーの脅迫事件に使われたものであった。

思わぬカタチで事件に関与したことを知ってしまった俊也は、事件の背景を知る人物を探し出し、謎を解明しようとするのであったが.....という展開です。

この作品、懐かしのグリコ森永事件を題材にしたフィクションで、当時私も中学生だったことで、予告時点で興味があった作品です。

予想以上にめまぐるしく動くストーリーで、先の読めない展開でごちそうさま感が半端なく、おもしろかったですね。

グリコ森永事件を題材にして、よくここまでフィクションを展開させたっていうのが驚きで、まず原作が素晴らしいですね、読んでませんが。。なかなか見応えある映画になってます。

ネット上での一般レビューがかなり高いので、見る前はかなり忖度入ってない?って思ってましたが、おおむね忖度はないですね、レビューは。

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私自身、テレビを見ないので、今時の日本の俳優さんには全く先入観がないこともあり、全然普通に見れました。

小栗旬さんは私が彼に抱いているイメージに近い役柄でしたが、主役としての役割を十分果たしてましたし、やたら英語のシーンがありましたが、来年公開予定のハリウッド版ゴジラの新作に出てるというのも関連していたのでしょうか。
ゴジラはマストで見に行くのでで、その時どんな感じなのか楽しみですね。

星野源さんは園子温監督の「地獄でなぜ悪い」くらいしか見たことがないのですが、普通っぽいところがいいですね。普通の演技って一番難しいですから。。
偶然事件に巻き込まれてしまった人って感じがすごく出ていて、ナイスキャスティングって感じがしました。

この映画見た人のあるあるかもしれませんが、オーダーメイドのスーツをつくりたくなってきましたね。。

脇を固めるのが松重豊さんや古舘寛治さんなどで、超安心して見れる点も良かったですし、事件の鍵を握る脅迫電話の声をふきこんだ少年・誠一郎の大人になった姿を演じた宇野祥平さんが自分的にツボでした。

登場した時の、部屋の感じと背景にうつるアレを見て、すぐいなくなるキャラなんだろうなぁと思って見てましたが、超重要人物で、セリフだけの演技が中心ですが、すごく悲壮感をただよわせていて、素晴らしかったですね。

もう、最後のアレなんて、泣かされました。。

この役柄のために10キロ減量したみたいで、これから注目の俳優さんになっていきそうですね。

安田顕さん主演の映画「俳優・亀岡拓次」のモデルになった一人の俳優さんらしいのですが、インパクトのある重要な脇役演技でした。

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この作品の後半の方で犯人グループの全貌がだんだんとわかってきて、この事件を引き起こした動機が、国家や警察に対する恨みからくる要素も含まれていて、全共闘の頃の背景が登場してきます。

結局、その人たちの利己的な思想で、子供の世代が不幸を見ることになり、あなたたちの思想は間違ってる!っていうくだりがでてくるのですが、近年、こういう全共闘の思想を否定するような映画が多い気がします。

赤軍のような末路を見ると、ある部分では間違っていたと思わざるをえませんが、今の選挙にもいかず、政治に関心がない若い世代を見ていると、私は完全に否定はしたくないですね。

幼少の頃、学生運動のしっぽのようなものを実際見ていますし、当時学生だったら私も絶対参加していたと思うし、そういう思想を「化石」扱いにしているところが、ちょっと腑に落ちませんでしたね。

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そして、その70年前後の激しい時代を象徴するような俳優さんたちがキーパーソンとして登場します。

事件を起こした中心的メンバーのひとりを宇崎竜童さんが演じています。

演技どうこうより、この時代、というか反体制を象徴するカタチで登場してきた方ですから、納得の配役ですね。

そして星野源さんのお母さん役で梶芽衣子さんがでてきます。

梶さんといえば、やっぱり女囚さそりですよね。 本当にかっこよかったし、この時の梶さん、今でも全然通用するくらい綺麗ですよね。。 日本が激動の時代に活躍していた女優さんのひとりで、最初、ただの病気の母親役で出てきた時、なんでこんな人をこんな扱いのキャラに使ってるんだろう、失礼だなーって思ってたら、最重要人物でした。。当然ですね。

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この作品、おもしろかったのですが、一点不満があって、映画的快楽が全然ないんですよね。。

大きいスクリーンで予算のかかったNHKのドラマ見ている感じにもなりました。

そういう部分を追求する映画ではもちろんなく、普段映画を見ない方にも親切すぎるくらい親切にストーリーを展開させているのですが、映画好きの目から見ると、ちょっと編集、無難すぎかな?と思いました。

ギミックでもないけど、順番を少しだけ変えたり、編集の仕方をひと工夫すれば、諸外国の映画祭などでも注目を浴びるような作品になったいたんじゃないかなー、、って思ったのですが、、製作者サイドは全くそういうのは狙ってないんでしょうね。

それは置いといて、とにかく、今年見た邦画の中では上位にくる作品ですし、映画好きの方にもおすすめできるようなおもしろい話でおすすめです。

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異端の鳥/人間の恐ろしさをリアルに描いたまぎれもない大傑作

チェコ・スロバキアウクライナ合作映画で第76回ヴェネツィア国際映画祭におちてユニセフ賞を受賞した作品「異端の鳥」。

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上映時間が3時間ということで、なかなかハードルが高い作品ですが、、まぎれもない傑作です。

ホロコーストから逃げてきたユダヤ系の少年が、様々な差別や迫害にあらがいながら強く生き抜いていく姿を描いた作品で、暴力描写がすさまじいというほどではないですが、すごーくリアルです。

少年が過酷な現実をサバイブする映画といえば、昨年公開された「存在のない子供たち」という作品もすごかったですが、この「異端の鳥」は少年がユダヤ人であるため、捕まったら死に直結するという恐怖も待ち受けているので、さらにギリギリの生き残りを要求される映画ですね。

この作品、第二次大戦中の東ヨーロッパのとある町という設定ですが、現代でも世界中に存在しているであろう話で、人間が生まれながらにもっている残虐性や差別などの「人間の暗部」をまざまざと見せつけています。

この作品に登場する農民たちは、大半が底意地悪くて、相手が子供でもおかまいなしに集団で暴力をふるいますし、「悪魔の子供だ!」とか理不尽な理由つけて、ウ○コまみれにさせられたり、本当に見ていてキツい映画でした。

私も小学校入学を前に田舎に引っ越した経験がありますが、昭和の田舎の人はよそものに対して全然ウェルカムではなかったし、部落差別なども存在したり、村八分っていうのを実感したこともありましたね。。

この映画の世界はフィクションなのですが、出版当初、原作者のイェジー・コシンスキが自伝的小説というのを匂わせていたせいで、本当の話だと思われていたようですし、実際、リアルに感じる部分が多々あります。

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ヘビーな部分がピックアップされがちな作品ですが、この作品は9つのエピソードにわかれていて、ストーリーがつながってはいるのですが、独立した話としても見ることができて、ひとつひとつの話にそれぞれテーマが与えられています。

まず最初の話「マルタの章」は冒頭からエグいシーンが出てきますが、それ以降は全体的に静かですが、最後にあっと驚くことが起きて、別れと同時に少年の冒険...というか悲劇がはじまっていくお話です。

2番目の「オルガの章」は農民たちから理不尽な暴力をうけたり、少年が熱が出て土に埋められたりして、ポスタービジュアルにでているカラスの場面があったり、全体的に我慢、我慢、我慢って感じのエピソードです。ここは見ていてつらかったですね。

3番目の「ミレルの章」は嫉妬深い老人・ミレルの話で、全体的にうっすらと緊張感が出ていて、最後老人のとんでもない行動に驚かされるスプラッターテイストの入ったお話です。

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4番目の「レッフとルドミラの章」は鳥商人のレッフと性欲丸出しの女性ルドミラが描かれ、ちょっとエロモードで橋やすめ的な章なのかなと思っていたら、これまた最後とんでもない展開になり、嫌なものが腹にたまるお話です。

この章で、原作のタイトルでもある「Painted Bird」の場面が登場します。

レッフがペイントした鳥を空に向けはなすと、仲間の鳥たちが集まってくるのですが、違う模様の鳥を見て、仲間でないことを感じた鳥たちが襲い始め、結局その鳥はボロボロになって地面に落ちてしまうんですよね。

この作品を象徴するシーンで、人間社会の構図をまざまざと見せつけているようで、説明過多でなく映像を見せるだけで、メッセージを伝えるという心に残る名シーンでした。

5番目の「ハンスの章」は少年が捕えられてナチスに売られてしまうお話です。

このお話は、出てくる大人みんな下衆野郎で、これも見ていてツラい話でしたが、最後、、ほっこりさせられました。

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6番目は「司祭とガルボスの章」で最初はハーヴェイ・カイテル演じる心やさしき司祭にひきとられ、やっと落ち着けるのかな...と思いきや、ひきとられた先の家のジュリアン・サンズ演じる男に性的虐待を受けるというとんでもないお話です。

これもなかなかキツい話でしたが、最後は意外とスッキリした展開が待っていて、、、あ、でもそのあとまたキツい場面でてきますね。

7番目は「ラビーナの章」で欲求不満の女に、違う意味での性的虐待を受けるというお話です。

まさかのゴッドファーザー・オーマージュが登場しますが、この章を境に純粋だった少年が変貌していきます。

8番目は「ミートカの章」でソ連軍に少年が戦争孤児として保護される話で、個人的には一番好きな話でした。

無口な狙撃兵のミートカに少年がついていって「エッ!」っていう展開が待っていますが、西部劇的なハードボイルドな感じでカッコよかったです。

ミートカを演じたバリーペッパーが実に渋かっこいい演技でした。

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そして最後9番目の「ニコデムとヨスカの章」ですが、ここで少年が変わり果ててしまった行動に出るんですよね。

この作品、順撮りであったらしく、あきらかに最初の方のシーンと少年の顔つきが変わっているんですよね。

そしてある男が登場するのですが、変わってしまった少年は一体どうするのか、、というお話です。

この作品、モノクロの映像がとにかく美しいんですよね。

しかもモノクロということもあり、生々しさやリアルさが増大していて、緊張感ある映像になっています。

また音楽がエンドロールくらいしか記憶なくって、セリフも究極というくらい最小限しかなく、ほぼ映像のみでストーリーとメッセージを語ってるところが凄いですし、監督の力量をヒシヒシと感じます。

上映してるところが少ないのですが、機会があったら映画館で見て欲しい作品です。

心にズドンってのしかかる映画で、長いのですがもう一回劇場で見たい、それくらい今年見た映画の中でもかなりダントツ上位の作品でした。おすすめです。

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ザ・ハント/現代アメリカを痛烈に皮肉った人間狩りムービー

人間狩りを題材にしたサバイバル・アクション映画「ザ・ハント」。

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森の中で12人の男女が目を覚ます。

猿ぐつわをされた状態で、しかもここがどこなのかは誰も知らない。

目の前におかれた巨大な木箱を見つけ、中をあけると1匹のブタとたくさんの武器が入っている。

そしてほどなく、周囲に銃声が鳴り響き、何人かが目の前で狙撃される。

わけのわからぬまま彼らは、目の前の武器を手に取り逃げ惑う。

実はそれは「マナーゲート」と呼ばれる一部の富裕層によるスポーツ感覚の「人間狩り」であったのだった。。

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予告を見て、B級作品を楽しもう.....的な感じで鑑賞しましたが、意外と予算がかかっているようだし、予想と違った方向で展開していくあたり、思っていたより随分楽しめました。

アメリカでは今年の3月の公開で、映画館が閉まるか閉まらないかという時期で、 タイミング的に最悪だったようですが、この作品はトランプの政策を支持する、かなり○○な白人とリベラル系の富裕層の対立構造で、しかも人間狩りするのはトランプ側ではなくリベラルの方というのがミソですね。

その観点がおもしろくて、トランプ支持者は差別したり動物虐待したりする悪者だから、 正義の鉄槌を下しても問題ない!...という極端すぎる発想になっています。

木村太郎さんいわく、トランプは絶対戦争を起こさないから良い大統領だった...らしいのですが、小悪いことはいっぱいしていても、戦争はトランプは仕掛けてないんですよね。でも他は滅茶苦茶でしたが。。

これがもし、トランプ支持者側がリベラルをハントする作品なら、あきらかにリベラルを標榜するハリウッドが仕掛けてきそうな作風ですが、リベラルがトランプ支持者を襲うという逆の構造になっていることで、どちらに対しての皮肉も表現していて、 こういう主張がすごくセンスがあると思いました。

でも富裕層に対する偏見はかなり感じましたね。。

よくこの企画がハリウッドで通ったなぁという感もあり「 ハンガーゲーム」のように大作感を出すより、これくらいの規模の方が、作品の意図が伝わりやすいですね。

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この作品を監督したクレイグ・ゾベルの「死の谷間」という作品は、登場人物が三人しかでてこない核汚染後の世界を描いた地味なSFでしたが、個人的にツボにハマった映画でした。

その作品でも生命に対する主張が見えたのですが「ザ・ハント」も中盤くらいまでは監督の主張が見えました。。中盤くらいまでは。

また、劇中にも出てきますが、ジョージ・オーウェルの「動物農場」という小説のモチーフが結構使われていて、 この小説を大まかに知っているともっと楽しめるんじゃないでしょうか。

私も見終わってから、この「動物農場」について色々調べてみて読みたくなりました。

ピンク・フロイドのアルバム「アニマルズ」のモチーフにもなっている小説みたいですね。

そして、ヒラリー・スワンク以外の俳優が全然知らない人ばかりということもあり、最初の方では誰が主役かわからずに見ていて、この人が主役なのかな...と思って見ていたら死んじゃうし、 次はこの中の誰かが主役なのかな...と思ったら、またみんな死んじゃうし!という感じで、 ホラー映画とか映画的第三国の作品を見る時のような新鮮な感じがありました。

この作品については、前情報はほとんど入れずに見た方が良いですね。

また唯一知ってる女優のヒラリー・スワンクが、素晴らしかったです。

オスカーを二度も受賞しているのに、こんなB級アクションにでている時点で凄いですが、彼女もこの映画の設定や主張が面白いと思って出演したんでしょうね。

意外に出番は少ないのですが、アクションシーンも説得力あってさすがの演技でした。

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あとはドンを演じたウェイン・デュヴァルなんかもいい味だしてましたが、やはり主役のベティ・ギルピンがかっこよかったですね。

あまりこの女優さんについて知らないのですが、アクションがかっこよかったですし、この作品きっかけで、アクション系の映画で出てきそうですね。

法廷ものとかITものとかも似合いそうな顔でもありますね。

今、アクションが新しい時代に突入して、アクションがしっかりできることがスターになる近道となっていて、結構な大物系の俳優もスタントなしのアクションをこなしていているので、なかなかその中で主役を掴むのは大変だと思いますが、ベティ・ギルピンは今後注目したい女優のひとりですね。

SNS使いも含め、アメリカの世相をすごく反映している作品ですが、単純にアクション映画としても全然楽しめるのでポップコーンムービーとして十分楽しめる作品ではないでしょうか。。

 

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マンダロリアン・シーズン1を振り返る!

10月30日よりディズニー+で配信開始となるスターウォーズのスピンオフ作品「マンダロリアン」シーズン2

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大作系の映画が全部延期になっている現状、ドラマやネットフリックス作品に期待する日々がつづきそうですが、そんな空虚な映画ファン、そしてスターウォーズファンが待ちに待った作品である「マンダロリアン」のシーズン2。

今回は、昨年末に公開された「スカイウォーカーの夜明け」のモヤモヤを吹き飛ばしてくれた「マンダロリアン」のシーズン1を振り返ってみたいと思います。

まず、私が感じたマンダロリアンの魅力を4つあげてみたいと思います。

 

 「マンダロリアン 」の魅力

1.大人仕様の世界観

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私にとってのマンダロリアンの最大の魅力は、世界観が大人仕様になってる点です。

スターウォーズ新三部作は、オリジナル三部作の世界観の延長をベースにしていて、あくまで「スターウォーズの世界観の中」で繰り広げられていたことで、その縛りによって作品全体がある程度予測がつくような、こじんまりした感じが否めませんでした。

賛否両論だった「最後のジェダイで殻をやぶろうとしたのに、全世界のスターウォーズファンに忖度しなければいけないという理由で、監督にJJを再度起用し丸くおさめなければいけなかったということもあり、色々苦労したシリーズでした。

しかしこの「マンダロリアン」はスピンオフで、しかも配信用のドラマということもあって、のっけから自由度があったことが功を奏して、明らかに今時のアメリカのドラマの世界観の方に寄せている気がします。

今のアメリカのドラマは、社会性をうまくフィクションにとりこんでいながら、アメリカ人以外にも共感できるテーマを内包していてどれも面白いですよね。

以前ここでもウォッチメンの記事をあげたことがありますが、あれもヒーローものなのに現在のアメリカ社会を反映した、ノワールまるだしのカッコいい世界観でしたが、この「マンダロリアン」もまさかスターウォーズシリーズでノワールな映像を楽しめるとは想像していませんでした。

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ユーモアもシュールな大人な感じで挿入されてますしね。

ある意味、ベイビーヨーダのかわいさも大人目線の象徴といっても良いのではないでしょうか。

これを見てスターウォーズ世界に入ろうとする子供はほとんどいないでしょうし、完全に大人でないと楽しめないような作風で、これから作られる新たなスターウォーズ映画も、本流はともかく、スピンオフはこんな作風で作ってくれるとうれしいですね。

逆にスターウォーズはちょっと.....と思っている、今時のアメリカのドラマが好きな方に全力でおすすめしたいシリーズでもありますね。

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2.魅力的な主人公二人

スターウォーズといえばキャラクターの魅力も重要な要素ですが「マンダロリアン」もご多分にもれずキャラクターがいいですね。

なんと言っても主人公のマンドーの魅力につきます!

久しぶりに大人もハマれるカッコいいキャラクターという感じで、クールに仕事をこなし、見た目も単純にカッコいいですね。

ボバ・フェット自体「帝国の逆襲」で登場した当初から人気がありましたが、シルバーにするとこんなにカッコ良くなるなんてルーカスも驚いたんじゃないでしょうか。

シルバーといってもキャプテン・ファズマのようななピカピカな感じではなく、ちょっと暗めのブラックシルバーという感じの色味が渋いですよね。

戦闘能力も抜群で、結構な衝撃に耐えられるアーマーを着ているおかげでほぼ不死身ですし、どんな状況になってもアーマーに装備された武器でやっつけられるくらいの圧倒的な強さがあり、戦闘における頭のキレも抜群。

しかし、「ローグワン」ドニー・イェンが演じたチアルート・イムウェのようなジェダイより強く見える!というほどのレベルでなく、ほどよい強さ加減がいいですね。

一話に一回は必ずピンチになるくらいのレベルですから。。

マンドーを演じるペドロ・パスカルゲーム・オブ・スローンズ「ナルコス」などアメリカのドラマではおなじみの人ですが、 最終話でサービスショットっぽくチラっと顔見せしただけでもったいない気もしましたが、悪役イメージが強い俳優ですので敢えてそれくらいの顔見せにしたのでしょうか。。

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そしてシリーズの最大の話題であり目玉扱いなのが、ベイビーヨーダザ・チャイルドです。 この赤ちゃん好きにもペット好きにも響く愛くるしい反則キャラクター.....さすがディズニー、、といったところでしょうか。。

しかし、そんなあざとさが気にならないほど可愛いキャラクターで、歩いているときも、丸く浮かんだベビーベッドに入ってる姿も超かわいいですね!

目を放すと大変、、という子供あるあるもでてきますし、宇宙船、大変なことになりますからね。。

この50歳の赤ちゃんヨーダくんがシーズン1で数回見せたフォースはまだ序の口という感じでしょうから、これからシーズンを重ねるごとにどんどん凄くなっていくと思うと.....ますます楽しみですね。

3.音楽

そして音楽もカッコいいですね!

スターウォーズの音楽といえばジョン・ウィリアムス大先生ですから、彼がやっていないというだけで新鮮ですが、音楽まで今時のアメリカのドラマみたいな音が鳴っているところがすごい新鮮です。

スターウォーズの世界観でこの音楽ってなかなかないですからね。

特にサスペンスタッチなシーンは、エレクトロな感じでカッコいいです。

映画ではなくドラマだということが大きのかもしれませんが、SF大作やヒーローもので、なかなかこういう音楽は使われていないですからね。

しかし、そう思っていると、エンディングや派手なシーンになると今度はロッキーのような音楽が流れてくるんですよね。

最初「え?」って思いましたが、ハマるとすごいワクワク感を感じられて印象深いです。

音楽を担当したルドウィグ・ゴランソン「テネット」で超かっこいいエレクトロを流していたりブラックパンサーでも音楽を手がけていますが、なんといってもあのクリードの音楽もやってるってことで、ロッキーっぽくなっているのもご愛嬌ってとこなのでしょうか。

アポロ出てますしね。

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いずれにしても、ルドウィグ・ゴランソンがいま映画やドラマの音楽の世界で最重要人物のひとりであることに間違いはないでしょう。

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4.デザイン

最後にデザイン的なものでアガるものがいっぱいありますね。

まずオープニングが超カッコいいですよね。
暗がりに歴代のスターウォーズキャラのマスクが輝きながらリレー方式でうっすら登場してくるオープニング。

このオープニング部分を見ただけで超興奮しました!

またエンドクレジット時に出てくる、そのチャプターのイラストがマニア心をくすぐりますね。 このイラストの画集が発売されたら、即買いしそうです。。

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シーズン1・キャラクターTOP3

では次に、シーズン1で登場したキャラクターで、主役二人以外に好きなキャラクタートップ3を勝手にランキングしてみます。

3位/グリーフ・カルガ

第3位は、カール・ウェザース演じるギルドのリーダー、グリーフです。

私のようなアラフィフ世代にはアポロが出てる!っていうだけでうれしいんですよね。

カール・ウェザースは70歳を過ぎてますが、、ちょっとおなか出てますが、、カッコよかったですね!
途中で完全にマンドーの味方になる展開も、これまたアポロっぽいですし、カール・ウェザースって「プレデター」でもそうでしたが、ナンバー2的ポジションが似合いますよね。

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2位/IG-11

第2位はIG-11です。

スターウォーズといえばドロイドというイメージですが「マンダロリアン」は全話に登場するドロイドがいなくて、その中で唯一キャラ立ちしたドロイドといってもいい存在がこのIG-11ですね。

最初は賞金稼ぎの殺人ドロイドだったのに、クイールに改良されてから真逆のナースドロイドになるというドロイドならではの展開がいいですね!

しかも孤軍奮闘の大活躍でマンドーたちのピンチを何度も救うし、次も出てきてほしいのですが.....違うキャラになっちゃうのでダメでしょうね。。

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1位/クイール

そして1位は、名優ニック・ノルティが声を担当したクイールです。

「有無は言わせん」が口ぐせの銀河帝国の元奴隷だったアグノートのおじさんです。

マンドーとジャワのいざこざを仲介したり、マンドーにブラーグの乗り方を教えたりと面倒見がよく、マンドーも頼りにする知恵袋的おじさんで頼もしい限りです。

しかもほぼ絶命状態のIG-11を修理する技術的な腕をもち、ナースドロイドとして一から教育するという辛抱強さももちあわせていて、こんなに頼りになるオッサンいないだろう!っていうキャラで、いい味出してたんですけどね。。

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他の登場人物たちも充実してて、元反乱軍の戦士役のジーナ・カラーノは女優さんにしては体型ががっしりしてるなぁ....って思ってたら、元総合格闘家なんですね。

最後の7・8話に出てきた悪役のモフは大ヒットドラマのブレイキング・バッドに出てくるガス役のジャンカルロ・エスポジートが演じていて「ブレイキング・バッド」同様、冷徹な感じのキャラクターでこれはなかなかナイスなキャスティングですね。

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シーズン1・チャプターTOP3

では次に個人的に好きだったチャプターのベスト3をランキングしてみます。

3位/第3話「罪」

マンドーが手渡してしまったザ・チャイルドを奪い返しにいくチャプターです。

これはもうレオンなどのクライムサスペンスの世界ですね。

ノワールな世界観にストームトルーパーが出てくるって時点で、それだけで興奮します!音楽もかっこいいですね。

大勢のバウンティハンターに囲まれ、絶体絶命の場面からの...あの展開はちょっと胸アツでした。

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2位/第6話「囚人」

マンドーが以前の仕事仲間と救出作戦に出るチャプターです。

マンドーが仲間に裏切られてから、ちょっとした復讐劇っぽくなるところが、ランボーのようでミッションをこなす暗殺者っぽくっていいんですよね、、全然スターウォーズの世界じゃないんところが。

なのに最後、Xウィングが登場して急にスターウォーズっぽくなるところがまたおもしろいです。

第4話「楽園」も七人の侍オマージュのようなな話ですが、そういった違う映画の要素を盛り込むところは、もともとスターウォーズがもっていた部分ですし、あらためてそこに着手して世界観を広げているところが「マンダロリアン」が支持されている理由のひとつだと思います。

仲間同士があまり仲良くないところなどエイリアン2みたいですし、最後の痛快な展開も見事で、ドラマの一話分として見ても優れたチャプターですね。

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1位/最終話「贖罪」

次期スターウォーズの監督も噂されるタイカ・ワイティティが監督したチャプターです。

ストーリーはもちろんですが、冒頭のスカウトトルーパー二人の無駄に長いやりとりのちょっとシュールなコント風な会話劇のところが最高ですね。

最終話ということもあるのでしょうが、はじめてドロイド2体が同時に登場したり、総合的に最もスターウォーズ的な感じがするチャプターです。

タイファイターの恐ろしさも出ていて、マンドーがはじめて空を飛んだりしますし、スターウォーズアクションが満載です。

シーズン2への布石もちゃんと残していて、とても優秀な最終話だけに、やっぱり一話から見なおしたくなりますよね!

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シーズン2がはじまる前に、もう一度シーズン1を見直して「マンダロリアン」の世界を楽しみましょう!

 

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