ロバート・ダウニー・Jr出演作品/チャーリー
喜劇王チャールズ・チャップリンの生涯を描いた作品「チャーリー」。
ちなみに原題は「Chaplin」。
なぜ日本人にも馴染みのある「チャップリン」のタイトルで公開しなかったのか.....日本の配給会社の戦略がイマイチ腑に落ちません。。
この映画で、チャップリンを演じているのがロバート・ダウニーJr。
彼が主演した初期の作品の中では、最も注目度の高い映画ですが、作品のクオリティはもちろん、ダウニーJrの演技も最高の作品です。
もともとコメディ要素のある演技を得意としていたダウニーJrですが、伝説の男チャップリンを演じるにあたり相当なプレッシャーがあったと思います。
しかしチャップリンの動きを完コピするなど、人間味あふれる喜劇王の20代から80代までを堂々と演じていて、ダウニーJr渾身の一作となっています。
題材がチャップリンの自伝ということもあり、全編にユーモアがあふれていて、波乱万丈の人生を送ったチャップリンの人間としての魅力にフォーカスした作品となっています。
それだからか、長尺の大河ドラマ作品なのに長さを全く感じさないんですよね。
チャップリンの伝記映画であるとともに、映画の歴史も垣間見えるようになっているのがこの映画の特徴であり、特に前半の黎明期の映画界を描いているシーンは、映画ファンが見るとなかなか興味深い内容になっています。
「ガンジー」や「遠い夜明け」などを監督したリチャード・アッテンボローの作品ということで、ファシストの台頭や赤狩りなど政治や時代を描くシーンも多く登場しますが、重くなりすぎず、あくまでチャップリンの作品群と重ね合わせた描き方をしている点が良かったです。
ダウニーJr自身もこの映画のような波乱万丈の人生で、この作品を撮っていた頃は波乱の真っ只中くらいの時期だったのではないでしょうか。。
またジョン・バリーの音楽も素晴らしく、作品に格調高い雰囲気をもたらしています。
チャップリンの映画も音楽が素晴らしいですからね。
オスカーにはじめてノミネートされた作品ということもあり、ダウニーJrのキャリアで最初のピークがこの「チャーリー」であることは間違いないでしょう。
キャリアを考えると、まさにこれからって時期だったこともあり、数年後からはじまる転落が残念でなりませんね。。
しかし、結局彼の経験のすべてが後に演じるトニー・スタークのキャラクターに結実してるようで、通るべくして通った道のりなのでしょうかね。。