ロバート・ダウニーJr出演作品/ジャッジ 裁かれる判事
ロバート・ダウニーJrが名優ロバート・デュヴァルと共演した映画「ジャッジ 裁かれる判事」。
敏腕弁護士のヘンリーは母親が亡くなったことをきき久しぶりに故郷に帰る。
地元で判事をしている父親のジョセフとは数年来関係がこじれていた。
しかし母親の葬儀の後、ジョセフがひき逃げの容疑をかけられ裁判になったことで、ヘンリーは父親の弁護を引き受けることになるのだが.....というお話です。
この作品でロバート・デュヴァルがアカデミー賞助演男優賞にノミネートされるのですが、それも納得の素晴らしい演技です。
妻に先立たれたショックと加齢が原因で、痴呆ぎみとなった頑固な老判事を熟練の技で演じています。
ロバート・デュヴァルといえば「ゴッドファーザー」や「地獄の黙示録」などフランシス・F・コッポラ作品のイメージが強い俳優で「ディープ・インパクト」のような大作にも出演してますが、ジャンルや作品の大小問わず様々な映画に出ていて、これだけの名優なのに全く偏りなく演技を楽しんでいるように感じる俳優ですね。
デニス・ホッパーが監督し若き日のショーン・ペンと共演した「カラーズ 天使の消えた街」でのベテラン警官の役も印象に残ってます。
ダウニーJrとの息もぴったりで、このレベルの人達にしかだせない説得力のある演技でドラマに深みを与えています。
一見法廷ものという硬くなりがちなジャンルに見える映画ですが、実は親子関係に焦点をあてたドラマ作りになっている映画なんですよね。
父親と息子という男同士の親子にありがちなギクシャクした関係を描いていて、なかなか歩み寄れなかった親子が法廷という特殊な場所を通して理解しあっていく展開で、主人公の子供との関係や過去の恋人との関係などのサイドストーリーもからめた、見応えのあるストーリーとなっています。
でも感動巨編のような大げさな感じではなく、構えて見る映画にさせていないのは、やはりロバート・ダウニーJr演じるヘンリーという下衆な男だけど茶目っ気あふれる憎めないキャラクターがストーリーをかき回しているからではないでしょうか。
「アイアンマン」以降のダウニーJrの主演作は、ほぼ彼の演技およびキャラクター表現によって作品が支配されていると言ってもいいでしょう。
彼の出演作というだけで、一定のクオリティを確信できるため安心して見る事ができますね。
そんな鉄板男ダウニーJrと名優ロバート・デュヴァルが共演というだけで、作品のクオリティがわかると思いますし、こういう見やすくてサラッと感動できるという点が、クリント・イーストウッドの監督作品を見てるような感覚でしたね。
音楽好きとしては、映画のラストでボン・イヴェールの「ホロシーン」とコールドプレイの「サイエンティスト」(ウィリー・ネルソンVer)という超名曲2曲を立て続けに流れてきて、それだけで切なくなりました。。
ハリウッドが得意とする法廷ものとハートフルな映画をミックスさせた良作で、キャラクターに少しクセはあるものの誰が見ても胸が熱くなる作品ではないでしょうか。
家族関係がギクシャクしてる方には、是非おすすめしたい作品ですね、後悔しないためにも。。