罠〜Deep Trap〜/もしもマ・ドンソクが殺人鬼だったら.....
この映画を見たら、もうマブリーなんて絶対言えない!.....「罠〜Deep Trap〜」。
ソヨンとジュンシクは結婚5年目の夫婦。
2年前に子供が流産して以来、ジュンシクは妻との性行為ができなくなっていた。
ソヨンはジュンシクに気分転換に旅行をしようと提案し、夫婦でとある離島へと出かける。
そしてソヨンがネットで見つけたどんな勃起不全も治せるサンマル食堂という店へ行き、そこで二人は手厚い歓迎を受けるのだが、その店の主人は実は殺人鬼という裏の顔をもっていた.....というお話です。
この映画、実際のSNS犯罪をベースにしたらしいのですが、確かにネット上にはウマい話.....という名の罠がいっぱい存在していますよね。。
人の弱みにつけこむ商売は多々ありますが、この物語のように奴隷にされたり、死に追いやられるようなものまでネットに存在するのかと思うと、、ゾッとします!
マ・ドンソクの少しうつろな表情をした時の目を、違う解釈で利用すると殺人犯になる!.....という設定のキャラクターで、確かにこの作品の彼は危ない男にしか見えません!
派手なアクションはありませんが、逆に時折くりだされる一発のパンチがリアルに痛そうで、ひとけのない山奥でこんな凶暴な男になんか絶対出会いたくない!と思わせるキャラクターを演じています。
暴力団、警察、自警団、正義感のある男、人のいいオジサン、さえない男...などなど、色々なキャラクターを演じてきたマ・ドンソクですが、凶暴な殺人犯というのは、ある意味ハマリ役だと思います。
凶暴なゴリラが目の前にあらわれたくらい、絶望しか感じないでしょうから。。
ホント、彼の顔は色んな解釈をすることができて、出演作が多いのも納得がいきますね。
この作品もブレイクする前に撮られたものですが、この手の異常な犯罪者の役は、もうマ・ドンソクが演じる姿は見られないかもしれませんね。。
そういう意味でとても貴重な作品といえるかもしれません。
ほぼ山の中だけで撮られた作品なので、映像的に間延びしがちですが、余計なカットがないので、テンポはそれほど良くありませんが、上映時間もコンパクトで、一気に見られる作品になっています。
ただ無理やり設定がかなり目がつく作品で、例えば一泊目の夜に、妻が最初に不安に感じた時に何故もっと強く帰ろうと主張しなかったのか解せないですし、さすがに鈍感とはいえ夫の方も、車の修理でふもとに下りたのに業者がいないって時点で気づくだろ!ってツッコミどろは数えきれません。
ネットでのレビューを見てみると、批判意見が大半をしめていますが、アラがあるのは認めますが、そこまで映画として批判する内容ではないと思いますし、ジュンシク役の俳優意外は演技は良かったですし、何より下衆なマ・ドンソクが見られたことが良かったですね。
正義のマブリーしか見たくない人には絶対おすすめしませんが、マ・ドンソクの俳優としての幅を見られるといった点で、見て損はしない作品です。