狂った朝日 と 汚れた血/映画部

映画や海外ドラマに関するレビュー及び思い入れのある作品について語ったり、それに付随した思い出・ライフスタイル情報を提供いたします。

悪人伝/マ・ドンソク主演でなくても十分見応えのある今の韓国映画を象徴する作品

韓国で大ヒットし、シルヴェスター・スタローン制作でハリウッドリメイクも決定している映画「悪人伝」。 主演はマ・ドンソク.....ということは、また無敵のマ・ドンソクがカッコ良くメチャクチャに暴れまくる映画なんだろうと勝手に思っていましたが、意外…

ヤング≒アダルト/胸糞なのに何故かせつないブラックコメディの秀作

シャーリーズ・セロンという女優は、毎回全く違ったキャラクターを演じて私たちを楽しませてくれますが、そんな彼女のフィルモグラフィーの中でも、かなりインパクトのあるキャラクターを演じている作品なのではないでしょうか。 ジェイソン・ライトマン監督…

イーオン・フラックス/展開は追わずにシャーリーズ・セロンだけを見ていれば良い作品

シャーリーズ・セロンがアクション映画に本格的に主演した最初の作品「イーオン・フラックス」。 2011年、ウイルスによって人類の99%が死滅してしまった世界で、生き残った500万人は、ワクチンを開発したトレヴァー・グッドチャイルドの一族の管理化の下、外…

オールド・ガード/シャーリーズ・セロンが男前すぎるアクション映画

我らが姉御シャーリーズ・セロンが主演・プロデュースのネットフリックスオリジナル作品「オールド・ガード」。 不死身のからだをもち、何世紀にもわたり歴史の影で暗躍してきた特殊部隊“オールド・ガード”。彼らの不死身の能力を解明し、大金を稼ぎ出そうと…

WAVES(ウェイブス)/映像と音楽で語る青春映画の傑作

めくるめく映像、鮮やかな色彩、心に残る音楽、、話題のプレイリストムービー「WAVES」を見てきました。 映画は映像が美しければOKな自分にとって、はずれても良いくらいの感覚あまり期待せずに見に行きましたが、、ストーリーにヤラれました!名作です! 「…

復讐者に憐れみを/現代の巨匠パク・チャヌクの真にスタートとなった作品

パク・チャヌク監督が「JSA」の次に撮った作品が「復讐者に憐れみを」。 原作の映画化だった「JSA」と違い、監督自らのオリジナルストーリーである作品です。 聴覚障害者のリュウは腎臓病を患う姉の手術代を見繕うため恋人のユンミと共謀し会社社長の娘を誘…

ハーフ・オブ・イット/古典の要素をうまく取り入れた現代青春恋愛劇の傑作

ここ数年「名作」を連発しているネットフリックスオリジナルで、またひとつ名作が誕生しました。 「ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれから」。 監督であるアリス・ウーの実体験をベースにつくられた青春恋愛映画の傑作です。 アメリカの田舎町で暮らす中…

透明人間/秀逸な予告編をさらに上回る驚きの傑作サスペンス

H・G・ウェルズのSFの古典を、リー・ワネル監督が現代的解釈でリブートした映画「透明人間」。 今年3月にアメリカで大ヒットしたこの映画、面白いという噂を耳にしていたこともあり公開初日に見に行きましたが.....驚きのラストでした! 久しぶりに全く予想…

シャリーズ・セロンの魅力満載のラブコメ/ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋

ラブコメというジャンル.....あまり得意じゃないです。。 見ていて恥ずかしくなってきますし、80年代のアメリカ製が元になってるからかバブリーな発想が根底にあるし、そして何よりコメディなのにあまり笑えないとことか。。 女性が主人公だと、どうしてもシ…

「透明人間」を見る前に見るべき作品その5/スピルバーグの「激突」

7月10日から公開の「透明人間」を見る前に見ておきたい最後の映画は若き日のスティーブン・スピルバーグが撮った名作煽り運転ムービー「激突」です。 今回の「透明人間」は主人公の恋人の偏執的ストーキング行為が描かれているようですが、ストーカー的恐怖…

「透明人間」を見る前に見るべき作品その4/見えない恐怖

7月10日から公開の「透明人間」についてあれこれ調べていたら、70年代の映画で興味深い作品を発見したので見て見ました.....「見えない恐怖」。 「ソイレント・グリーン」などを監督したリチャード・フライシャーの1971年の作品で、主演はミア・ファロー。 …

「透明人間」を見る前に見るべき作品その3/オリジナル版「透明人間」

近日公開の話題作「透明人間」を見る前に見ておきたい映画の第三弾。 今回は、H・G・ウェルズの原作を映画化した1933年の作品「透明人間」。 なかなかこの年代の作品を鑑賞する機会はないのですが、あの「キングコング」もこの年に公開されています。トーキ…

「透明人間」を見る前に見るべき作品その2/ジョン・カーペンター版「透明人間」

近日公開の話題作「透明人間」を見る前に見ておきたい映画の第二弾。 今回は、鬼才ジョン・カーペンター監督による1992年の作品「透明人間」です。 この作品は有名なH・G・ウェルズの原作ではなく、H・F・セイントの「透明人間の告白」をもとにした映画で、…

ストーリー・オブ・マイライフ/サブタイトルが何故「わたし」の若草物語かがわかる映画

誰もが知ってるアメリカの文学の名作を映画化した「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」。 映画好きの私でも苦手な作風があって、邦題に「愛の〜」がつくような、いかにもお涙頂戴ものの作品は素直に見れないこともあり、あまり見ないようにし…

暗数殺人/日本の伝統的ミステリーの雰囲気漂う傑作韓国映画

韓国で起こった実在の事件をベースに制作され、韓国映画界の最高峰である「青龍映画賞」で脚本賞を受賞した作品「暗数殺人」。 韓国を代表する名優キム・ユンソクと「アシュラ」他幅広い映画で活躍するチュ・ジフンが火花を散らす犯罪サスペンス映画の秀作で…

レディ・プレイヤー1/70歳を過ぎてなお新境地を開拓した天才の凄さ

スティーブン・スピルバーグ監督の「レディ・プレイヤー1」が地上波で放送されるそうです。 先日の記事でも書いた「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を放送したのと同じロードショー枠らしいですが、全く地上波を見ない私にとっても嬉しいですし、洋画の傑…

「透明人間」を見る前に見るべき作品その1/インビジブル

7月10日から公開の話題のホラー映画「透明人間」。 その公開前に透明人間にまつわる作品をあれこれご紹介していきます。 まず最初の作品は、鬼才ポール・バーホーベン監督による2000年の透明人間映画「インビジブル」。 「ショーガール」の興行的大失敗から…

サスペリア/個性派監督の手によって再び傑作となった名作ホラーのリメイク

7月10日から公開する話題の映画「透明人間」。 次回から「透明人間」を見る前に見ておきたい作品をご紹介しますが、今回は昨今傑作が次々と生まれているホラー映画の中でも私の好きな作品をご紹介します。 2019年度に見た映画の中で個人的ベストワンの作品で…

バック・トゥ・ザ・フューチャー人気再燃の疑問から連想した映画「26世紀青年」

最近、テレビ放送をきっかけに「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の人気が再燃してる.....そうですね。 私はここ十年くらいニュースやW杯以外は地上波のテレビをほとんど見ない人間なので、正直今頃「バック・トゥ・ザ・フューチャー」が人気と言われてもピ…

ロバート・ダウニーJr出演作品/トロピック・サンダー

制作・脚本・監督・主演とベン・スティラー渾身のバカ映画「トロピックサンダー」。 ベン・スティーラー、ジャック・ブラック、ロバート・ダウニーJrと主演の三人だけでも凄いのに、そこにトム・クルーズ、マシュー・マコノヒーにニック・ノルティまで出てる…

ランボーシリーズ一作目はまぎれもない傑作/First Blood

現在公開中の「ランボー・ラスト・ブラッド」。70歳をすぎてもなお躍動するスタローンに元気をもらえる作品ですが、このシリーズがはじまったのは今から38年前。 ディヴィッド・マレル原作の『一人だけの軍隊』をベースに制作されたのがご存知「FIRST BLOOD…

「ランボーラストブラッド」はまるで「ロッキー4」のような映画だった!?

70歳を過ぎてもいまだパワー健在のシルヴェスター・スタローン渾身の一作「ランボー ラストブラッド」。 20年ぶりのまさかの続編だった前作「ランボー最後の戦場」から11年ぶりの続編。 前作のラストで家路についたランボー、それから10年あまり平穏な日々が…

ロバート・ダウニーJr出演作品/ジャッジ 裁かれる判事

ロバート・ダウニーJrが名優ロバート・デュヴァルと共演した映画「ジャッジ 裁かれる判事」。 敏腕弁護士のヘンリーは母親が亡くなったことをきき久しぶりに故郷に帰る。 地元で判事をしている父親のジョセフとは数年来関係がこじれていた。 しかし母親の葬…

ロバート・ダウニー・Jr出演作品/チャーリー

喜劇王チャールズ・チャップリンの生涯を描いた作品「チャーリー」。 ちなみに原題は「Chaplin」。 なぜ日本人にも馴染みのある「チャップリン」のタイトルで公開しなかったのか.....日本の配給会社の戦略がイマイチ腑に落ちません。。 この映画で、チャップ…

ナチュラル・ボーン・キラーズ/真面目な男が監督するべきでなかった問題作

見なければよかったという映画に、ごく稀に出会うことがあります。 オリバー・ストーン監督作品「ナチュラル・ボーン・キラー」。 「パルプ・フィクション」の少し後に後悔され、タランティーノの脚本をオリバー・ストーンが監督.....という時点で、もう何も…

貧富の差が拡大した時代に「NO」を叩きつけた鬼才のSF映画/ゼイリブ

鬼才ジョン・カーペンター監督の作品で個人的に一番好きなのが「ゼイリブ」です。 10年以上ぶりに見ましたが、この作品、大人になればなるほど確実に面白い映画だと気づきました。 失業者があふれる時代で、日雇い労働者として働く主人公ナダが、ある日、大…

遊星からの物体X/鬼才が創り上げた時代を超越するSFホラー映画の金字塔

鬼才ジョン・カーペンターを代表する作品であり「エイリアン」と並ぶSFホラー映画の金字塔「遊星からの物体X」。 多くのマニアを生み出したカルト映画の走りのような作品で、マニアックな文脈で語られることが多いのですが、同じくジョン・カーペンター監督…

ニューヨーク1997/80年代のパンクなB級映画を堪能できる作品

緊急事態宣言の最中、5月中旬の日曜日、所用で汐留まで出かけた際、あまりにも閑散とした街の風景に衝撃を受けました。 まるで近未来SF映画そのものの世界。 コロナを機にいよいよ「未来」を現実に体感する時代に突入しつつあります。 やはり未来の景色は希…

シャイニング/天才監督が創造した原作無視の芸術的ホラーをあらためて検証

ホラー映画.....というより映画史の中においても名作であるスタンリー・キューブリック監督の作品「シャイニング」。 「13日の金曜日」や「エルム街の悪夢」などの作品のようにシリーズ化しているわけでもなく、 これだけ一般的知名度のあるホラー映画は珍し…

ポンジュノ監督の才能が開花した韓国ノワールの大傑作/殺人の追憶

「パラサイト」でオスカーを受賞した現代の巨匠ポン・ジュノ監督が2003年に撮った長編第二作「殺人の追憶」。 ポン・ジュノ監督はどの作品もおもしろいのですが、クセの強い作品も多く、最初に見る映画によっては二度と監督作を見なくなる可能性も秘めている…